身の丈に合わないITを導入すると、使いこなせないばかりか、
業務の遂行能力が低下して業績が悪化する可能性があります。
企業のIT経営実現能力を評価し、身の丈にあったITを導入すると共に、
目標のレベルに向けて学習し、成長していく事を目的に設定するのが
『IT成熟度レベル』
です。
企業のIT成熟度を評価する4つの視点
「IT経営成熟度レベル」は、次の4つの視点で設定されます。
必要に応じて4つの視点をさらに細分化して評価を行います。
- 1.IT経営マインド
- IT経営実現の意識レベル
- 2.IT経営ガバナンス
- IT経営管理/プロセスのレベル
- 3.ITサービス利活用
- ITによる情報価値のレベル
- 4.IT環境
- ITシステムの環境レベル
「IT経営成熟度レベル」は、
身の丈にあったITを選ぶために、IT経営レベルを認識するための評価指標。
⚡IT経営マインド
IT経営実現の意識レベル⚡IT経営ガバナンス
IT経営管理/プロセスのレベル⚡ITサービス利活用
ITによる情報価値のレベル⚡IT環境
ITシステムの環境レベル— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 16, 2021
IT成熟度レベルの評価基準
IT経営の成熟度レベルは、次の6段階評価で設定します。
- レベル0
- 存在しない
- レベル1
- 認識しているが場当り的
- レベル2
- 反復可能だが直感的
- レベル3
- 業務プロセスが定義され、標準化され守られている
- レベル4
- 測定とモニタリング・評価が可能、継続的改善の仕組みがある
- レベル5
- 最適化され、知識が共有された経営になっている
IT経営の成熟度レベル 5段階評価
⚡レベル0
存在しない⚡レベル1
認識しているが場当り的⚡レベル2
反復可能だが直感的⚡レベル3
業務プロセスが定義され、標準化され守られている⚡レベル4
測定とモニタリング・評価が可能、継続的改善の仕組みがある⚡レベル5
最適化、知識共有経営— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 16, 2021
各視点での評価対象と評価例
それでは、「IT経営成熟度レベル」の視点について、評価例を交えて詳しく見ていきます。
あなたの会社の現状と照らし合わせてみて、自社のIT成熟度レベルがいくつかチェックしてみて下さい。
IT経営マインド
一つ目の「IT経営マインド」は、ITを経営に活かせるかどうか、主に次のような項目について『意識』に関する評価。
- IT経営に対する意識
- 経営者のリーダーシップ
- ITの理解と応用
- 戦略的思考
- 人財育成
- オープンな組織風土
身の丈にあったITを選ぶための
「IT経営成熟度レベル」
一つ目の「IT経営マインド」は、ITを経営に活かせるかどうか、主に次の項目についての『意識』に関する評価。
⚡IT経営に対する意識
⚡経営者のリーダーシップ
⚡ITの理解と応用
⚡戦略的思考
⚡人財育成
⚡オープンな組織風土— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 17, 2021
「IT経営マインド」の評価例
評価レベル | 評価内容 |
---|---|
レベル1 | 創業当時から続く慣習が根強く、積極的な変化を望まない企業風土になっている。など |
レベル3 | 経営者自らがリーダーシップを発揮し、全社員がIT経営を業務に利活用する意識はあるが、戦略的思考が弱く、変化に対応できていない。など |
IT経営ガバナンス
二つ目の「IT経営ガバナンス」は、IT経営を行うための『マネジメント』に関する評価で、主に次のような項目となります。
PDCAサイクル(※)で管理し、KGI/KPI(※)が社内で共有されているかどうか、また、内部統制やコンプライアンスが定められているかどうか、についても評価の対象とします。
- 業務遂行と管理能力
- IT化の投資対効果を評価する仕組み
- 内部統制の仕組み
- コンプライアンス等
身の丈にあったITを選ぶための
「IT経営成熟度レベル」
二つ目の「IT経営ガバナンス」は、IT経営を行うための『マネジメント』に関する評価。
⚡業務遂行と管理能力
⚡IT化の投資対効果を評価する仕組み
⚡内部統制の仕組み
⚡コンプライアンス等— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 17, 2021
「IT経営ガバナンス」の評価例
評価レベル | 評価内容 |
---|---|
レベル1 | システムに関するルールが明確に作成されておらず、ITの利活用が個人の判断に委ねられている。など |
レベル3 | IT利活用のマニュアルが整備され、利活用ルールが標準化されているが、個人によってルールが遵守されない場合もある。など |
ITサービス利活用
三つ目の「ITサービス利活用」は、ITを『徹底的に利活用しているかどうか』を評価。
業務改善や事業スピード向上に、ITを利活用しているかどうか、経営者を含め従業員のITリテラシー向上にについても評価対象となります。
- 経営戦略に基づくITの利活用
- 情報共有と活用
- 情報活用によるビジネス領域の拡大
- ITリテラシーの向上
身の丈にあったITを選ぶための
「IT経営成熟度レベル」
三つ目の「ITサービス利活用」は、ITを
『徹底的に利活用しているかどうか』
を評価。
⚡経営戦略に基づくITの利活用
⚡情報共有と活用
⚡情報活用によるビジネス領域の拡大
⚡ITリテラシーの向上— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 17, 2021
「ITサービス利活用」の評価例
評価レベル | 評価内容 |
---|---|
レベル1 | システムは運用されているが、ITリテラシーが低い部署もあり、個人スキルへの依存が高い。など |
レベル3 | IT利活用に関する教育が実施され、IT利活用が活性化されてはいるが、ビジネス領域の拡大に繋がる施策が実施されていない。など |
IT環境
最後の「IT環境」は、ITシステムの『環境』に関する評価です。
ITサービスの整備状況に加えて、ヘルプデスクや、システムを安定的に稼働させるための整備と、遂行する能力についても評価対象となります。
- ITサービスの整備状況
- IT利活用に関する教育研修の整備
- サポート体制
- ITリスクの評価と対応
- セキュリティ対策
- 事業継続性(BCP)
身の丈にあったITを選ぶための
「IT経営成熟度レベル」
最後の「IT環境」は、ITシステムの『環境』に関する評価。
⚡ITサービスの整備状況
⚡IT利活用に関する教育研修の整備
⚡サポート体制
⚡ITリスクの評価と対応
⚡セキュリティ対策
⚡事業継続性(BCP)— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 17, 2021
「IT環境」の評価例
評価レベル | 評価内容 |
---|---|
レベル1 | 各システムが統合化されておらず、IT環境は整備したが、システムの利活用も個人任せである。など |
レベル3 | 各システムが統合され、情報共有が業務に活かされてはいるが、継続的改善の仕組みが整備されていない。など |
目標設定
現状のIT成熟度レベルを確認したら、目標となるレベルを設定し、具体的な方針を記載します。
まとめると次のようになります。
視点 | 評価対象 | 現行 レベル |
評価内容
|
目標 レベル |
評価目標と方針 |
---|---|---|---|---|---|
IT経営マインド | IT経営実現の意識レベル | 1 | 創業当時から続く慣習が根強く、積極的な変化を望まない企業風土になっている。 | 3 | 経営者自らがリーダーシップを発揮し、情報の精度を高め、全社員がIT経営を業務に利活用する。 |
IT経営ガバナンス | IT経営管理/プロセスのレベル | 1 | システムに関するルールが明確に作成されておらず、ITの利活用が個人の判断に委ねられている。 | 3 | IT利活用のマニュアルを整備し、利活用ルールの標準化とルール遵守を強化する。 |
ITサービス利活用 | ITによる情報価値のレベル | 1 | システムは運用されているが、ITリテラシーが低い部署もあり、個人スキルへの依存が高い。 | 3 | IT利活用教育を実施し、標準遵守の徹底で情報精度を高めることで、IT利活用を活性化する。 |
IT環境 | ITシステムの環境レベル | 1 | 各システムが統合化されておらず、IT環境は整備したが、システムの利活用も個人任せである。 | 3 | 各システムの統合化と情報共有を業務に活かし、より使いやすいIT環境を整備する。 |
💡持続的成長を図る
企業として持続的に成長するために必要な「IT経営の成熟度」を上げていくためには、外部との共創の姿勢を持つオープンな企業風土づくりが重要です。
従業員の育成を図り、利害関係者が持つ知見を収集・共有・活用できるネットワークを構築し、学習・成長していく必要があります。
— 古澤シンジ 🧭 IT経営DX支援職人 (@Shinji_DXshock2) August 19, 2021
まとめ
いかがだったでしょうか。
身の丈にあったITを選択するためには、まず、
- 自社のIT経営成熟度レベルを「4つの視点」「6段階評価」で確認する
- 「IT経営マインド」は、ITを経営に活かせるかどうか『意識』に関する評価
- 「IT経営ガバナンス」は、IT経営を行うための『マネジメント』に関する評価
- 「ITサービス利活用」は、ITを『徹底的に利活用しているかどうか』を評価
- 「IT環境」は、ITシステムの『環境』に関する評価
- 目標となるIT経営成熟度レベルを設定し、学習を繰り返して成長していく
この記事を参考にまずは、自社のIT成熟度レベルを設定してみましょう。
「IT経営成熟度レベルの設定シート」を無料配布しております。
下記ページからダウンロードできます。ぜひご利用ください。
コメント