IT経営の成熟度レベルを知り、身の丈にあったITを選択する

マインド

身の丈に合わないITを導入すると、使いこなせないばかりか、
業務の遂行能力が低下して業績が悪化する可能性があります。

企業のIT経営実現能力を評価し、身の丈にあったITを導入すると共に、
目標のレベルに向けて学習し、成長していく事を目的に設定するのが

『IT成熟度レベル』

です。

 

筆者:古澤シンジ

経済産業省推進資格ITコーディネータ
アナログIT経営コンサルタント
株式会社ケルヒ代表取締役

⇒筆者の情報

企業のIT成熟度を評価する4つの視点

「IT経営成熟度レベル」は、次の4つの視点で設定されます。

必要に応じて4つの視点をさらに細分化して評価を行います。

1.IT経営マインド
IT経営実現の意識レベル
2.IT経営ガバナンス
IT経営管理/プロセスのレベル
3.ITサービス利活用
ITによる情報価値のレベル
4.IT環境
ITシステムの環境レベル

IT成熟度レベルの評価基準

IT経営の成熟度レベルは、次の6段階評価で設定します。

レベル0
存在しない
レベル1
認識しているが場当り的
レベル2
反復可能だが直感的
レベル3
業務プロセスが定義され、標準化され守られている
レベル4
測定とモニタリング・評価が可能、継続的改善の仕組みがある
レベル5
最適化され、知識が共有された経営になっている

各視点での評価対象と評価例

それでは、「IT経営成熟度レベル」の視点について、評価例を交えて詳しく見ていきます。

あなたの会社の現状と照らし合わせてみて、自社のIT成熟度レベルがいくつかチェックしてみて下さい。

 

IT経営マインド

一つ目の「IT経営マインド」は、ITを経営に活かせるかどうか、主に次のような項目について『意識』に関する評価。

  • IT経営に対する意識
  • 経営者のリーダーシップ
  • ITの理解と応用
  • 戦略的思考
  • 人財育成
  • オープンな組織風土

「IT経営マインド」の評価例

評価レベル 評価内容
レベル1 創業当時から続く慣習が根強く、積極的な変化を望まない企業風土になっている。など
レベル3 経営者自らがリーダーシップを発揮し、全社員がIT経営を業務に利活用する意識はあるが、戦略的思考が弱く、変化に対応できていない。など

 

 

IT経営ガバナンス

二つ目の「IT経営ガバナンス」は、IT経営を行うための『マネジメント』に関する評価で、主に次のような項目となります。

PDCAサイクル(※)で管理し、KGI/KPI(※)が社内で共有されているかどうか、また、内部統制やコンプライアンスが定められているかどうか、についても評価の対象とします。

  • 業務遂行と管理能力
  • IT化の投資対効果を評価する仕組み
  • 内部統制の仕組み
  • コンプライアンス等

※PDCAとは品質管理や業務管理などで改善を行う際に、その活動をサイクルとして継続していく考え方。
Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)の頭文字
※KGI(Key Goal Indicator)は「重要目標達成指標」つまり最終目標です。KPI(Key Performance Indicators)は「重要業績評価指標」はKGIに対しての中間目標となります。

 

「IT経営ガバナンス」の評価例

評価レベル 評価内容
レベル1 システムに関するルールが明確に作成されておらず、ITの利活用が個人の判断に委ねられている。など
レベル3 IT利活用のマニュアルが整備され、利活用ルールが標準化されているが、個人によってルールが遵守されない場合もある。など

 

 

ITサービス利活用

三つ目の「ITサービス利活用」は、ITを『徹底的に利活用しているかどうか』を評価。

業務改善や事業スピード向上に、ITを利活用しているかどうか、経営者を含め従業員のITリテラシー向上にについても評価対象となります。

  • 経営戦略に基づくITの利活用
  • 情報共有と活用
  • 情報活用によるビジネス領域の拡大
  • ITリテラシーの向上

「ITサービス利活用」の評価例

評価レベル 評価内容
レベル1 システムは運用されているが、ITリテラシーが低い部署もあり、個人スキルへの依存が高い。など
レベル3 IT利活用に関する教育が実施され、IT利活用が活性化されてはいるが、ビジネス領域の拡大に繋がる施策が実施されていない。など

 

 

IT環境

最後の「IT環境」は、ITシステムの『環境』に関する評価です。

ITサービスの整備状況に加えて、ヘルプデスクや、システムを安定的に稼働させるための整備と、遂行する能力についても評価対象となります。

  • ITサービスの整備状況
  • IT利活用に関する教育研修の整備
  • サポート体制
  • ITリスクの評価と対応
  • セキュリティ対策
  • 事業継続性(BCP)

「IT環境」の評価例

評価レベル 評価内容
レベル1 各システムが統合化されておらず、IT環境は整備したが、システムの利活用も個人任せである。など
レベル3 各システムが統合され、情報共有が業務に活かされてはいるが、継続的改善の仕組みが整備されていない。など

 

 

目標設定

現状のIT成熟度レベルを確認したら、目標となるレベルを設定し、具体的な方針を記載します。

まとめると次のようになります。

視点 評価対象 現行
レベル
評価内容

 

目標
レベル
評価目標と方針
IT経営マインド IT経営実現の意識レベル 1 創業当時から続く慣習が根強く、積極的な変化を望まない企業風土になっている。 3 経営者自らがリーダーシップを発揮し、情報の精度を高め、全社員がIT経営を業務に利活用する。
IT経営ガバナンス IT経営管理/プロセスのレベル 1 システムに関するルールが明確に作成されておらず、ITの利活用が個人の判断に委ねられている。 3 IT利活用のマニュアルを整備し、利活用ルールの標準化とルール遵守を強化する。
ITサービス利活用 ITによる情報価値のレベル 1 システムは運用されているが、ITリテラシーが低い部署もあり、個人スキルへの依存が高い。 3 IT利活用教育を実施し、標準遵守の徹底で情報精度を高めることで、IT利活用を活性化する。
IT環境 ITシステムの環境レベル 1 各システムが統合化されておらず、IT環境は整備したが、システムの利活用も個人任せである。 3 各システムの統合化と情報共有を業務に活かし、より使いやすいIT環境を整備する。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

身の丈にあったITを選択するためには、まず、

  • 自社のIT経営成熟度レベルを「4つの視点」「6段階評価」で確認する
  • 「IT経営マインド」は、ITを経営に活かせるかどうか『意識』に関する評価
  • 「IT経営ガバナンス」は、IT経営を行うための『マネジメント』に関する評価
  • 「ITサービス利活用」は、ITを『徹底的に利活用しているかどうか』を評価
  • 「IT環境」は、ITシステムの『環境』に関する評価
  • 目標となるIT経営成熟度レベルを設定し、学習を繰り返して成長していく

この記事を参考にまずは、自社のIT成熟度レベルを設定してみましょう。

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