競合他社との差別化を図るために、役立つフレームワークツールとして、
バリュープロポジションキャンバス(value proposition canvas)があります。
今回は、その概要や使い方などについて、具体的な例も交えながら分かりやすく解説していきます。
既存プロジェクトの見直し・改善や、新規プロジェクトの立ち上げなどの際に参考にしてみてください。
バリュープロポジションキャンバスとは
はじめに、
「バリュープロポジションキャンバス(value proposition canvas)」
とは何か、について解説致します。
valueは「価値」、propositionは「提案」という意味です。
つまり、バリュープロポジションとは、
「企業から顧客へ提供する価値」を表しています。
企業が商品やサービスを開発する際において、
顧客へ提供する価値と、顧客のニーズとの間に、ズレが生じる事が多いのではないでしょうか?
そこで必要になってくるのが、
バリュープロポジションキャンバス(value proposition canvas)
と呼ばれるフレームワークツールです。
バリュープロポジションキャンバスの目的には、次のものが挙げられます。
・自社製品やサービスによって提供できる価値と、顧客のニーズとの間にあるズレを明確にする
・自社製品やサービスの長所を明確にできる
・顧客のニーズを、より正確に把握できる
バリュープロポジションキャンバス構成する6つの要素
バリュープロポジションキャンバスでは、
バリュープロポジションと、顧客の情報という二つの項目に分けて可視化し、
お互いの関係性を明らかにしていきます。
ここからは、バリュープロポジションキャンバスを構成する二つの項目と、6つの要素について解説致します。
バリュープロポジションの構成要素
バリューポジション(Value Proposition)として、顧客への提供価値について分析していきます。
この中には、次の3つの要素が含まれています。
○Product & Services
製品やサービスとその特徴
○Gain Creators
顧客の利得をもたらすもの
○Pain Relievers
顧客の悩みを取り除くもの(不満や不便さを解消できるもの)
顧客の情報
顧客側からの目線を、顧客セグメント(Customer Segment)としてまとめていきます。
Customer Segmentは、次の3つの要素に分けることができます。
○Customer Job(s)
顧客が解決したい課題
○Gains
顧客の利得(プラスに感じられること)
○Pains
顧客の悩み(マイナス面やリスク)
進める順番が大事
なお、このフレームワークツールを使う際は、
Customer Segmentから進めていく方が望ましいでしょう。
なぜなら、Value Propositionから進めていった場合、
企業側の一方的な価値観にとらわれてしまうケースもあるからです。
また、客観的な観点も欠かさないようにしましょう。
バリュープロポジションキャンバスの作成方法
バリュープロポジションキャンバスを作成する場合は、次のような流れで行います
①Value Proposition
顧客への提供価値
自社製品のサービス内容を明確にします。
②Customer Segment
顧客セグメント
ターゲット層としている顧客の情報を記します。
③Customer Job(s)
顧客が解決したい課題
例えば、「家事を楽にしたい」などのように、顧客が望んでいる課題をまとめます。
④Gains
顧客の利得
「コストを抑えつつ家事を楽にできる」など、顧客側のメリットです。
⑤Pains
顧客の悩み
「コストがかかる」「スペースが占有されてしまう」など、顧客にとって悪い面を挙げます。
⑥Product & Services
製品とサービス
顧客のニーズを満たせるような、製品やサービスの価値をまとめます。
⑦Gain Creators
顧客の利得をもたらすもの
④で示したGainsを満たせるような、製品やサービスの価値を探っていきます。
⑧Pain Relievers
顧客の悩みを取り除くもの
⑤のPainsで挙げた悩みを解消、低減できるような、製品やサービスの価値を探りましょう。
「バリュープロポジションキャンバス」まとめ
いかがったでしょうか。
今回は、競合他社との差別化を図るために役立つフレームワークツール
「バリュープロポジションキャンバス(value proposition canvas)」
について解説致しました。
- バリュープロポジションは、「企業から顧客へ提供する価値」を表す
- バリュープロポジションと顧客の情報という二項目に分けて可視化する
- 「Customer Segment(顧客セグメント)」から進めて作成する
企業が商品やサービスを開発する際におこる、
提供価値と顧客ニーズとのギャップを無くすために、
バリュープロポジションキャンバスを活用しましょう。
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